Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
江上に聞く一舟の妖歌「おまえ待ち待ち芦の花」
気をつかうならそっちへ頭を向けていろ」
旅の毎晩毎朝、旅籠旅籠では大持てだった。
なにしろ北京一流の豪商盧の大旦那が、自身で交易がてらの泰山廟詣りというので下にもおかず、お供の端まで日々、とんだいい目のご相伴にあずかった。
盧、その人もまた、
「ああそろそろ五月だな。新緑の美しさ、谷水の麗しさ。千山万水、いまが一ばんいい季節か。立つまでは、さんざッぱら迷いに迷ったが、やはり思いきって出て来てよかった。旅はいいなあ」
と、これまた一日とて、愉しまぬ日はない様子だ。
はやくも南下二十日余り。或る一宿場まで来ると、その晩、宿の亭主が、おそろしく心配顔して、あくる日の旅を注意した。――これから、二、三日の間の道は、かの有名な梁山泊のほとりに近い。近ごろ寨首となった宋公明(宋江)は決してただの旅人衆に害を加えるようなことはしないが、でも万々、お気をつけなすって、というのであった。
「ありがとう。ご親切に」
ところが翌朝、盧俊儀は何思ったか、同勢出発という間際になって、衣裳箱の白絹を取り出してそれを旗四枚に仕立てさせ、一旒ごとに一行、墨痕淋漓とこう書いたものである。