Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
盧はそういって、泊中の見送りを謝し、夢遊一百余日の感慨を、金沙灘の船上に吹かれながら、やがて対岸に渡り、日をかさねて、じつに久しぶりな家郷北京府に帰った。
たそがれ過ぎれば関門は閉まる。あぶなく間にあって、彼は、城内大街の灯をまばゆげに、足のうつつもないような歩みだった。するといきなり誰かその袂をつかまえて、
「だ、だんなさまっ。……ああ、大旦那だ。待ってました。どんなにお待ちしていたかしれません!」
と、果ては大地に伏して、泣きじゃくってしまう男があった。
「なんだ。乞食かと思ったら? ……。いったいおまえは誰なのか」
「こ、こんなボロ、垢面、素はだし。お見忘れも無理ではございません。私は小乙(総領むすこをいう世間の愛称)です。小乙の燕青です」
「げっ……。オオッ、燕青だ。燕青だわえ。だが、その姿はまあ、いったい何としたざまか」
「お留守中に、追ン出されました。何一つ持たせられず、裸のままで」
「たれに?」
「奥さまと、大番頭の李固から、出て行けといわれまして……。ご主人! ここへお帰りなすっては大変です。もういちど、もとの所へお引っ返しなさいまし」
「何をいう。