Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
すると後ろで李固が、へへへへと、声をころすようなわざと笑いをもらしていた。
「旦那え。……大旦那え。お白洲は浄玻璃の鏡。もうそんなムダな抗言はおよしなすって、神妙にちっとでも罪を軽くしていただきなすった方がおよろしいんじゃございませんか」
妻の賈氏もまた、尾について。
「あなた……。わ、わたくしはもう、あきらめました。もしや、罪九族におよぶなどというお申し渡しにでもなったらどうしましょうぞ。後生です、お願いです、前非を悔いて、素直に洗いざらい、お上へ、ほんとのこと仰っしゃってくださいまし。せめてそれが」
よよと、泣きみだれる彼女の態に、盧は愕然と、伸びあがってどなった。
「なにをいうか、そなたまでが。……逆上したのか、女房っ」
しかし、庁上庁下、居ならぶ役人の目ぼしいところには、すでに李固から廻した鼻ぐすりが効いていたこと。機をすかさず、与力の張が、次にわめいた。
「中書閣下、これは一ト筋縄ではいけますまい」
「ウむ。打てッ」
おきまりの拷問となった。たちまちに唸きの下、凄惨、目もくらむばかりな鮮血が白洲を染め、絶叫がつづく。そしてついに、心にもなき口書が取られ、その夕すぐ死刑囚の大牢へ送りこまれた。