Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
しかし、彼が最も胸をいためたのは、現皇帝の徽宗陛下が、夜は管絃、昼は画院の画家たちを相手に絵を描いてのみおられ、いっこう天下の変もよそにしておられることだった。すでに、北京からは先にも禁軍の救援を求める早打が来ているが、それにも早速なご会議のもようはなく、またつづいての、王定の請願を奏上すれば「――よきにしておけ。枢密院の衆議にまかせる」というのみの御諚だけだ。
「諸卿」
と、彼はふたたび発言して、全議員の上を見わたした。彼のわたくしの心配も、国を憂える肺腑のひびきと聞えなくもない。
「なにか、策はないか。第一に人だ。軍を派すにしても、その人を得ざれば、だ。これと思う人物があらば、遅疑なく、推挙してもらいたい」
依然、たれも沈黙している。求めて重大な責任を負うことはない。といったような尻込みなのだ。
するとここに、防禦保儀使の宣賛という者があって、はるか末席から直立して言った。
「大臣。――ご推薦したい人物があります。彼こそ隠れた傑物と信じるからです」
ところが、彼の大真面目な進言も、あちこちでクスクス笑う声にもみけされた。保儀使といえば軍人でも佐官に過ぎない。