Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

つい隣県だ。いつでも会えよう。……では、書記、武松は今日から都頭に任じるぞ。さっそくその手続きをはこんでおけ」

武松は、この出世も、事の弾みみたいな気持ちでただ「オヤオヤ」と言いたげだった。あんまり欣しそうでもない。

四、五日は県の庁舎で身を休めていた。会う人、会う人から、祝福されたり虎退治を賞めそやされる。そのたび彼はむず痒そうな顔をして、

「やあ。どうもねえ。やあ」

とただ、頭を掻いて、柄にもなくテレるのだった。

そうした或る一日のこと。

庁舎を出て、用もないまま町の公園をぶらついたすえ、子供らの騒いでいる鞦韆のある遊び場までくると、そこの一隅に荷を下ろしていた、うすぎたない饅頭屋の小男が、

「あっ。……武松じゃないか」

と、立ったとたんに足もとの天秤棒に蹴つまずき、そのまま身を泳がせるように寄って来て抱きついた。

「あれっ?」

武松は唖然とした。いや次には、顔を笑み破って、やにわに、背のずんぐり低いその饅頭屋の双肩へ両手をかけた。

「兄さんじゃないか。一体どうしたんですえ。こんな所で」

「武松よ。ああやっぱり弟の武松だったか。面目ない」

「泣きなさんな、こんな道ばたでよ。