Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
はやく奥へ踏ン込まないと逃げられちまう」
チビの※(「軍+おおざと」、第4水準2-90-23)哥に叱咤されて、武大は勇を奮い起された。茶店の口から、大股ぬいで、
「畜生、もうだめだぞ、間男は見つけたぞ。どうするか見ていやがれ」
と、野猪のような勢いで陰湿な奥の一ト間へ躍り込んだ。
「あっ、うちの声だわ」
「えっ、武大か」
男女は狼狽して、寝台の上わ掛を刎ねのけた。金蓮は白い脛もあらわに、下袴を穿く。裳の紐を結ぶ。男の西門慶も度を失って、彼にも似気なく、寝台の下へ四ツん這いに這い込んで行くしまつ。
「あんた、もう度胸をすえましょうよ! こうなったら仕方がないもの」
金蓮が慄えたのは一瞬で、次のことばは、男の卑怯を罵るように強かった。しかし、西門慶の返辞よりも早く、
「わッ。この阿女め」
彼女の髪は、武大の手に、後ろからつかまれていた。
「あれっ、なにをするのさ、気狂い」
「どっちが気狂いだ。さあ、男も出ろ。やい間男」
「なんだ、武大」
西門慶の長い体が、ぬうっと、寝台の下から出て来るやいな、まるで居直り強盗のような科白で、儒子の武大を睨めおろした。
「静かにしろ。静かに話しても用は足りる」