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Japanische Klassiker mit Furigana

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しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme

Aozora Bunko

「こいつあ、くさいが?」

ぴんと直感に来たものはあるが、西門慶といえば、役署の上司からして、一目も二目も措いている人物なのだ。すべては、金の力だが、署内における勢力の隠然たるものは無視できない。

「……おっかねえ物だが、強いものには巻かれろだ。口を拭いて戴いとくか」

やがて、九叔は、喪の簾を揚げて、線香臭い家へ入った。二階へ上がって、武大の女房金蓮を見ると、近所のくやみの入り代り立ち代りに、泣き腫らしている態だ。しかしながら、多年の職業的直感では「ははアん」と、わかる。西門慶のおひねりは、これだったに違いないと。

「……どれ、納棺の前に、型どおりじゃございますが、お屍を調べさせて戴きましょうかな。いや、動かさないで、そのままにしておいておくんなさい」

九叔は馴れた手つきで、物質の検査でもするように、死骸の眼瞼、口腔、鼻腔の奥、腹部、背部と引っくり返して視ていたが、そのうちに自分のこめかみを抑え出して、

「……あ。……ああ、こいつあ、どうかしてきた。む、胸くるしい。もうたまらねえ」

と、癲癇のように、床へ俯ッ伏してもがきだした。

居合せた近所の者は驚いた。