Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
武松、亡兄の怨みを祭って、西門慶の店に男を訪う事
が、知事はなお、煮え切らない。言を左右にするだけで、
「とにかく、二た品は一応預かって、鑑定役へ廻しておくが、武松、そちも篤と、ここのところは穏便に考え直すがよいぞ」
遮二無二、その日は彼をなだめて引き取らせた。つまり早や訴訟は却下の形である。
武松、亡兄の怨みを祭って、西門慶の店に男を訪う事
西門慶は恟々だった。さっそく役署の下僚からは内報があるし、彼自身も昨日からは、おさおさ油断はしていない。
彼の手廻しによる金力が、暮夜ひそかに、各役人の私邸をたたいて、あらゆる手を一夜に打っていたなどは、いうまでもないだろう。
果たせるかな、次の日の強訴室においては、武松の眼にも、知事の態度が従来の人とはまるで別人のような知事に見えた。
「武松。昨夜一ト晩考えて、どう分別をいたしたな」
「今さら、分別も何もございません。西門慶を召喚して、手前と白洲においての対決を、希望しているばかりです」
「それや悪い分別だ。聖賢の語にも“背後ノ言、豈ヨク信ナランヤ”とあるではないか。果物売りの小僧の言など、取上げられん」
「でも九叔から差上げられてある紫斑歴々な兄の遺骨は、なんとご覧なされますな」