Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
かくてまた、二日二た晩を、元の孟州へ馳けもどった武松は、おそらくは憤怒のあまり復讐の鬼と化していたものにちがいない。着いたその晩、総督邸の深くへ忍びこんでいた。――とも知らず、当夜もまた、鴛鴦楼の灯は歓宴のさざめきに星空の更くるを忘れ、玉蘭の象板が「王昭君」を歌っていた。
いやなお、その内輪だけの集いには、いつぞや仲秋の宴にはここにいなかった蒋門神のがらがら声や、また、張家の同族、張軍団長の豪傑笑いも交じっていた。
まだ暁の星も淡い五更の頃。
孟州四つ城門の太鼓が、時ならぬじぶんなのに、いつにない乱打調子で鳴りぬいた。
「なんだろう? 刻の太鼓でもないらしいが」
街の者は、外へ飛び出して見るなり、すわ暴動か、戦争かと、仰天したほどだった。総督邸を中心に、ひきも切らない早馬がどこかへ飛ぶ。辻々には兵隊が立つ。――顔いろを変えた牢城役人や奉行が、馬にムチ打って、官邸の方へ馳けてゆく。
そのうちに、はや午ごろ。
「わっ、大変の何のッて」
と、官邸の馬院にいる馬丁や小者らの口から街の耳へも、真相が伝わっていった。
ゆうべの深更、宴が終ってからのこと。――張総督の夫妻から、小間使の玉蘭、そして客の張軍団長、蒋門神などの五人が、楼台の下や、廊の口や、室などで、すべて野太刀のごとき兇器で斬り殺されていたのが、わずか一刻