Japanische Klassiker mit Furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
一清が羨ましいや。先生が羨ましいんだ。……なんとか、おれのおふくろも、梁山泊へ連れて来て、ちったあ、楽をさせてやりてえもんだと。……つい、それを考えたら、泣けてきて、泣けてきて」
「じゃあ、おまえも故郷へ帰って、母親をここへ連れて来たいというのか」
「先生、何とかしておくんなさいよ。後生だ……こ、このとおりお願いですから」
「さあ?」
宋江は当惑した。同情の念、禁じえぬものはあったが、周囲すべての面は、不賛成の色をたたえている。目と目で顔を振りあっている。
それも無理ではないのだ。何ぶんにも、黒旋風李逵の名は、その暴勇の聞えは、江湖に高い。
ことに“江州大騒擾事件”のあとでもあるから、故郷へも、官の手が廻っているにきまっている。そんな所へ、こんな男を、と誰にしろ危ながるのは当然だった。
だが、言いだしたらきかない李逵だ。ついそれを訊いたほうが悪いようなものである。李逵は墨をなすッたような涙を顔じゅうにこすッて、果ては宋江へ食ってかかった。
「いけねえンですか先生。あっしは人間の子じゃねえんだろうか。べら棒め。先生の親や弟は一つにいるくせによ。なぜ俺だけには……」