Japanische Klassiker mit Furigana
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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme
それから一箇月ばかりというもの、昼は鬼のような奴らに追い使われ、こづきまわされ、夜はお父さまお母さまのことを思っては枕をぬらしながら、言うに言えない悲しい恐しい朝晩を送りむかえたのでした。
ある時は大嵐にあって、甲板に襲いかかって来る小山のような波に、いよいよ死ぬのかと、三人が抱きあって、東京のお母さまの名を呼びつづけたこともありました。又ある時は、海賊船が小さな汽船を追跡して、機関銃でおどしつけ、荒くれ男どもが、青龍刀を振りかぶって相手の汽船に乗りこんで行き、乗組員を片っぱしから縛りあげて、積荷をドシドシこちらの船へ運ぶという、戦争のように血なまぐさいありさまを、見せつけられたこともありました。
その恐しさ、気味悪さ、それらの出来事をくわしく書きつづれば、それだけでも一冊の本が出来るくらいなのですが、残念ながら、今はそれを記しているひまがありません。なぜといって、かわいそうな三人の少年は、そのあとで、海賊船での出来事なぞよりは、もっともっと不思議な、恐しい、魂も消えるような目にあわなければならなかったからです。そして、その世にも奇怪な冐険談をお話しするのが、この物語の本筋だからです。