Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんたからじま

新宝島

江戸川 乱歩

Lesen Sie 新宝島 (しんたからじま) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 99.590 Zeichen · 197 Bildschirme

Aozora Bunko

その船の中に、誰か生き残っているのではないかと思ったからです。しかし、二三度呼んで、しばらく待ってみても、何の答もありません。

波もなく、風もなく、シーンとしずまり返った海面に、雲一つない青空を背景に、大昔の建物ででもあるように、ところどころこわれた三角がたの舳先が、ニューッとそびえているありさまは、何だかこわいようです。

「誰もいないのだろうか」

「みんな死んでしまったのかも知れないね」

「気味がわるいね」

三人はヒソヒソとささやきかわして、顔を見合わせていましたが、いつまでもそうしているわけにも行きませんので、思いきって、船の中をしらべてみることにしました。

そこで、ボートを難破船につけて、急な坂道のようにかたむいている甲板の上へ、一人ずつはいのぼって行きました。甲板は嵐のためにひどくあらされて、船内へ下る昇降口のふたなども、どこかへふっ飛んでしまっていて、穴蔵のような口がポッカリ開いているのです。

三人は気味のわるいのをがまんして、その昇降口の急な梯子を、暗い船内へとおりて行きました。そして今にも恐しい人間の死骸にぶつかるのではないかと、ビクビクしながら、廊下のようなところや、小さな船室などを、次々と見てまわりました。