Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme
無造作に、
「蘭丸」
「はい」
「そちも、光秀に劣らぬ勉学家だが、いつのまに、築城まで考究したの。天守閣の構造について、そちにはどんな案があるか。それとも、母の尼などの手から、図面とか資料とかを、他家の秘庫より借りうけてでもおるのではないか」
「…………」
「……なぜ答えぬ。蘭丸」
「お答えに窮しましたので」
「それは、いかなる理か」
「――蘭丸、赤面のほかございません」
と、かれは、心から恥じ入るように、両手のうえに面を伏せた。
「明智どのも、おひとが悪い。なんで蘭丸に、天守の構造などという創案がございましょう。――実を申せば、わたくしから殿のお耳に入れた儀も――里見、大内などの諸家の城には天守があるということも――いつか宿直の折、光秀どのから詳しく伺ったおはなしを、お伝えいたしたに過ぎません」
「では、そちの献策というわけではないのか」
「いちいち、これは誰の語ったことです、これは誰の言葉ですと、お断りするもうるそうございますゆえ、漫然と、殿の御参考までに、天守閣をお築きあってはいかがと、申しあげてみたのみでございました」
「そうか。ははは、そんな軽い意味だったのか」