Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 197.228 Zeichen · 394 Bildschirme

Aozora Bunko

暗い廊下や階段を幾つも上り降りした。眼を塞がれたような闇も歩かせられた。

(このあいだに暗殺る気かな? ――)

と、多少身構えてもいたが、そんな気ぶりはない。何しても、灯のないところは奇怪といっていいような城廓建築の複雑な道であった。――がらがらっと、そのうちに重い車扉が開いた気がする。

「歩け」

と、命じられるまま、約十歩ほど、まっすぐに歩くと、もうそこは檻の中だったのである。どんと、後ろが閉まった。

「はははは」

こんどは、哄然たる声を、官兵衛は暗やみへ放った。そして詩でも吟じるがごとく、自嘲の感を、ひとり壁に向って云っていた。

「おれとしたことが、摂津守村重に計り陥されるとは。……さてさて世道人心は複雑になって来たな。どうも、常道ではいけないようだ」

武器庫の下あたりかと想像される。床は足のうらにも感じられるほど節目のある厚い板じきだ。官兵衛は、四壁に沿って、悠々と歩いている。――およそ室内のひろさは二十坪ほどかと察しられた。

「……いや、愍れむべき人間をおれは村重に見る。おれを獄中に監禁してどうするつもりかしら。何の効があると信じるのか。……彼の智謀の程度はこれでわかる。