Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.462 Zeichen · 72 Bildschirme
十一月十四日
それを聞いて思ったこと、
○短篇というのは、決して些事のみを一寸書くのが短篇ではなし。人生の鋭い手書きの「∧」のような図をきっと捕え、大きな思索的背景をもって、単純に書くことだ。
○人生の複雑さを表すのに、いつも大きいことばかりが道具ではない。小さい小さいこと、子供がコップを破すことでも重大な意味あり。
○自分が作の表に理屈を生のまま出す。これは、未熟の証拠だ。然し、私に理屈が在り思想が在るのがわるいのではない。私の大切な大切な、背骨だ。これを失ったら、私の立場は、危い。
十一月十四日(土曜)晴
今日はすっかり晴れ、愉快な日が下の机の上にさす。下で仕事。Y、一日家居、やはり勉強。自分この頃うれしいことあり。それは、Yが大変心持が平和になり、カンシャクを起すことが減り、私の辛い腹立ちをすることもなくなって来たことだ。恐しいもの。人間は何か精神的な目標をもって緊張して居るときには、心の平静を保つ。これは、考えると畏しさの増すものだ。
Y、実に複雑な人。自分はYでどれだけ教えられるところがあるか知れない。自分に対する正直さ、見栄のなさ、中流的テライのないところ、それ等がひどく鋭い直観的批評家と彼女をする。