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Japanische Klassiker mit Furigana

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やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

その帰りのことであるが、人ごみの中で和助を負ったおたかに会い、道の脇へ寄って少し立ち話をした。年賀にゆきたいのだがああいうわけがあるので遠慮をする、お二人ともつつがなくお年越しでおめでとうございます、こう挨拶すると、おたかも挨拶をし返したうえ、もちまえの気の好さからだろう、昨夜から庄吉さんが梶平へ来ていますと云った。

「祝う身寄りもなくって寂しいから、こちらで正月をさせて呉れって来たんですって、だいぶいい稼ぎをしたらしいって話でしたよ」

「それじゃあ、あの人、――あれからどこかへいってたんですか」

「あら話さなかったかしら」こう云っておたかはちょっと気まずそうな眼をした、「――あれから間もなくお店を出たんだけど、梶平さんの旦那の世話で、阿部川町のなんとかいう頭梁の家へ住込みではいったそうよ」

「なんという頭梁かしら――」

「さあ、あたしは詳しいことはなんにも知らないからわからないけれども、でも頭梁っていえば一町内にそうたくさんいるわけでもなし、おせんちゃんがもし尋ねてゆくつもりなら」おたかはそう云いかけてふと空を見上げた、「――あらいやだ、雪よ、まあお元日に悪いものが降りだしたわね」