Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme
家は油屋だそうで、年は同じ十七だった、丸顔の色は黒かったが、眼と唇のいつも笑っているような、明るい人なつっこい性質である。……その月の半ばも過ぎた或る日、稽古をしまって帰ろうとすると、おもんが追って来てそこまでいっしょにゆこうと云った。
「だって道がまるで違うじゃないの」
「いいのよまわり道をするから」おもんは肩をすり寄せるようにした、「……ちょっとあんたに話があるの」
おせんは身を離すようにして相手を見た、おもんはなにか気がかりなことでもあるように、じっとこちらを見かえしながら「あんた杉田屋の幸太さんという人を知っていて」と云いだした。おせんは思いがけない人の名が出たので、なにを云われるかとちょっと不安になった。
「知っていてよ、それがどうかしたの」
「あんたがその人のお嫁さんになるのだって、みんながその噂ばかりしているのだけれど」
「嘘だわそんなこと」おせんは相手がびっくりするような強い調子で云った、「……誰が云ったか知らないけれどそんなこと嘘よ、根も葉もないことだわおもんちゃん」
「でも幸太さんという人は毎日あんたの家へ入り浸りになっているというのよ、そしてもっとひどいことを……あたしの口では云えないようなことさえ噂になっていてよ」