Japanische Klassiker mit Furigana
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme
「騒いじゃあいかねえおせんちゃん」久造は両手で彼女を押えるようにした、「……たいしたことはないんだ、ちっとばかり酒が過ぎて立ちくらみがしただけなんだ、もう医者にもみせたしなにしてあるんだから、心配しないでとにかく先ず寝床をとって呉んな」
おせんは返辞もできず、なかば、夢中ですぐに寝床を敷いた。久造が指図をして、男たちは上まで戸板を舁ぎあげ、まるで意識のない源六を床の上へ寝かした。……久造はその枕許へ坐ったがおちつかぬようすで、汗を拭き拭き始終を語った、源六は寄合の席へ来たときから顔色が悪かった、酒が出てからもどこやら沈んだようすをしているので、たぶん暑気に中ったのだろうから熱燗で一杯やるがいいとすすめ、自分でもその気になって呑みだした。それから少し元気が出て、みんなと話しながらかなり呑んだが、やがて手洗いに立とうとしていきなりどしんと倒れてしまった。
「そう巌丈な躯でもないのだが、人間の倒れる音というものは大きなもので、階下からもびっくりして人が駆け上って来たくらいだ、みんなで呼び起こしたが、大きな鼾をかくばかりで返辞がない、とにかく頭を冷やしながら医者に来て貰った」