Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lesen Sie 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.300 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

までいってしまうほうがいい、悪い運が底をついてしまえば、こんどは良い運が始まるだろう、なにもかも新しくやり直すんだ、――庄さん、とおせんは眼をつむり遠い人のおもかげを空に思い描いた、あたし弱い気なんか起こさなくってよ、あんたが帰るまでは、どんなことがあっても他人の厄介にならないで待っているわ、今夜のことは堪忍してね庄さん、だってほかにしようがなかったんですもの、あんたがいたら幸さんなんかに頼みはしなかったのよ、わかるわね庄さん。

危険は考えたより遙かに早く迫って来た。幕を張ったように、するどい臭みのある煙が烈風に煽られて空を掩い地を這って、あらゆるものを人々の眼から遮り隠していた、そのあいだに火は茅町から平右衛門町へと燃え移っていたのだ、誰かが「あんな処へ火が来ている」と叫び、みんながふり返ったとき、河岸に面した家並の一部から焔があがった。風のために家から家と軒つづきに延びて来たのが、ひとところ屋根を焼きぬくと共に、撓めるだけ撓めていたちからでどっと燃えあがったのだ、ちょうど巨大な坩堝の蓋をとったように、それは焔の柱となって噴きあがり、眼のくらむような華麗な光の屑を八方へ撒きちらしながら、烈風に叩かれて横さまに靡き、渦を巻いて地面を掃いた。