Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶついちにちいちだい
植物一日一題
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物一日一題 (しょくぶついちにちいちだい) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.011 Zeichen · 312 Bildschirme
私は過去およそ四十年ほど以前から茶の樹についての注意を怠らず、殊に花時にはいつも興深くこれを眺めた。以前東京帝国大学理学部植物学教室の学生で名は今忘れたが相州鎌倉から来ていた方があって、あるとき幾人かで鎌倉の同氏の宅を訪ねたことがあった。そのとき私は偶然同家の裏庭へ行ってみたら、そこに多くの茶の樹があって花が咲いていた。ふと見るとその花の花序すなわち Inflorescence に見慣れないものを見つけた。それは Cyme すなわち聚繖花序であった。これすなわち茶の花の花序が明かに聚繖花序であるという大切な発見である。
茶の花は十月、十一月に咲くのだが、そのとき茶の樹に眼を注いでみると往々正しく整形せられた聚繖花序に逢着することはなにも珍らしいことではないが、なぜ世の多くの学者が今までこれに気がつかずに見逃がしていたかじつに不思議千万である。日本と西洋とを通じて茶の花の図に一つもそれが描写せられておらず、また茶の記述文にも一向にその事実が書いてない。茶のすべての花は単に葉腋から出るとしてある一本もしくは二本の花梗があって、その花梗末に一輪の花が着いているだけのことになっていて、それがみな単梗花と見なされているのである。