Japanische Klassiker mit Furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lesen Sie 植物記 (しょくぶつき) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 165.848 Zeichen · 327 Bildschirme
サザンカ
安芸の国の厳島(宮島)の山林中へ這入って行くと、そこここにこの鹿が食ったためその木の本の方の樹皮が頻々として傷害せられたものに出逢う。全体それは鹿がどういう原因でかくもツバキの木の皮をのみ好むかとの問題を前に控えてその解決は何んでも無い事だ。それは鹿が山を飛び廻って口が乾くから、ツバキを食ってツバキ(唾)を拵えるためであるというのはこれはただ思い付いた一場のシャレでゴザイ。こんなシャレが出るようになってはもはや真面目な話もダメだから、ツバキの話はこの辺で断然切りあげましょう。
サザンカ
ツバキと姉妹の品にサザンカがある。これは庭園に種えられてある常緑の花木で衆花既に凋謝した深秋の候美花を放くからすこぶる人々に愛好せられている。
この木もまたツバキと同じく日本と支那との原産である。我邦では四国、九州の暖地山中に自生の木があって一重咲きの白花を発くが、人家栽植の品には花色に種々あり花形に大小がある。葉もまた家植品は総体に闊くて厚いのが普通である。これらは皆永く培養せられた結果でその母種は前記の自然生サザンカである。
サザンカも花が了ると後に実が出来るが、この木は秋に開花するからその実は翌年の秋に熟する。