Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
例外もなく、いかなる大船舶と言えども呑まずにはいぬ、世界無比の大渦巻! どうしてこの海洋を乗り切って、再び帰ってゆくことなぞができ得るものでしょうか!
眼を閉じて狂瀾の咆え猛っているこの海を想えば、身の毛の竦つなぞとは、いうも愚か! 生きてこの国へ漂い着いている我々自身の運命を、ただ不思議と考えるほかはないのです。こうして今、麗かな太陽を浴び、清らかな空気を吸い、紙草に向って姉上、貴女のことを考えながら、ペンを走らせている我々自身の身の上が、ただ奇蹟のような神秘さに、感じられてならないのです。
姉上、私はこの手紙を書き上げましたならば、早速一つの記録に取りかかるつもりでいます。永い間の謎とされていた魔の海の正体を学界へ報告するために、当時を想い起して、できるだけ詳細な記録を作り上げよう、と考えています。
この手紙とともにそれがお手許に届きましたならば、どうか姉上、最後まで眼を通してみて下さい。必ず貴女にも、私の帰れないわけの御納得が、お付きになれようと思います。
どんなに私が冀い、貴女はそれを祈って下さっても、お互い命のある限りは、生きて再び逢うことのできぬ、離れ離れの境遇にあるということが、貴女にもハッキリとお飲み込めになれようと思います。