Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
フィリップ殿下と大怪盗
と声を潜めた。
「昨夜の御名代が、どなたでいらっしゃるか御存知でしょうね?」
嬢が頷く。
「フィリップ殿下には、大分いろいろなお噂が纒わりついていることは、御職業柄、あなたももちろん御承知でしょうね?」
と、また念を押してくる。
もう一度、嬢が頷く。
「たとえ王弟殿下でいらっしゃろうとも、そんな忌まわしい噂の、お立ちになっていられる方を、わたし共好んで、お招きしたわけではありません。でも、国王陛下の御名代として、御臨席下さいますものを、わたし共御辞退はできないではありませんか。ところが、たちまちこういうことが起って! このことをあなたは、どうお考えになります?」
「…………」
「確たる証拠もないのに、わたし共何も、殿下をお疑いしてなぞいませんよ。しかし殿下は、今恐ろしい世間の噂の、中心になっていられるお方ですよ。その方がおいでになったら、わたし共の頸飾りが、たちまちこんな不思議な紛失り方をしたとなると、あなたは一体、このことを、どうお考えになります? アイネス嬢」
「…………」
フィリップ殿下と大怪盗
殿下の身辺をめぐって、容易ならぬ暗雲が立ち込めていたのは、事実であった。