Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「ハイ」
「では、お降りになってから殿下が、どちらの方へおいでになったか、気が付きませんでしたか?」
「ハイ、わたくしそのまま、お二階へ上ってしまいましたから……」
「あなたのほかに、その時殿下のお姿を見た人はありませんか?」
「誰もいませんでしたから、見たものはなかったかも知れません」
「あなたは今仰有ったことを、大奥様の前でもハッキリと仰有られますね?」
「ハイ、ほかのことは存じませんけれど、知っておりますことはどなたの前でも……」
「でも、大奥様は、当夜の主賓でいらっしゃるから始終お側にいられましたが、殿下が席をお離れになったことは、一度もないと言ってらっしゃるのですよ。第一殿下が、そんな母屋の二階へなんぞ、お上りになられるわけがないと言ってられるのですがね、ロヴィーサさん、何かあなたの思い違いじゃないのでしょうかね?」
「でもわたくし、確かにお眼にかかったんですから、思い違いじゃございませんです」
「では、ようござんす、ちょっとそこにいて下さい、オーゲ、大奥様をお呼びして頂戴」
と嬢は、オーゲを顧みる。未亡人がはいって来た。ロヴィーサが、モジモジする。
「奥様、このお女中さんはいくたび聞いても、前言を翻しません。