Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

「御学友たちは、大勢いらっしゃいましたの?」

「なんの、……その方お一人ですわい」

過ぎ去った日を思い出すのは、老いたる人にとっては楽しい夢であったろうが、ステーンセン伯爵を知らず、いわんや伯爵の幼少時代を知らぬ検事やアイネス嬢は、どんなにその人の変装が技神に入ろうとも、大して興味のある話題ではない。老人が笑うから、一緒に笑ってみただけで、その話はおしまいになってしまった。

やがて老人も立ち去り、嬢とハルトアン氏とは、近着の雑誌か何かを見て倶楽部を出たのは、もう夕暮れ近くであったろう。町にはそろそろと靄が漂って、家路に急ぐ人々が雑踏を始めている。ブラブラとオステル街やオルヒュース街の飾窓を覗きながら言葉もなく足を運んでいるうちに、ふと電光のごとくに嬢の頭に閃いたものがある。ハッとして歩を停めた。いつか写真で見た、フィリップ殿下の気高い顔が、そこの飾窓の衣裳の陰に映っているような気がした。

現国王ヘンデル七世陛下の御兄弟は、王弟フィリップ殿下、王妹インゲボルグ殿下のほかにはない。が、巷間寄り寄りに伝えるところではまだそのほかにお一方……先王オスカル三世が何かの弾みに侍女に手をつけて、おできになったお子様がどこかで秘密に成人していられるということを噂している。