Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

「イングリード嬢とか、申されたな。御好意をうれしく感謝している」

「長い間、さぞ、御辛労でいらっしゃいましたでしょう、お察し申し上げます」

「わたしの辛労なぞは、取るに足らぬこと。あなたこそ、いろいろお骨折りだったろう。おかけなさい、では詳しく、顛末をお聞きしたい」

そして召使を呼ばれるのであろうか、机上の電鈴を押された。初めて吻として、嬢は深い深い溜息を吐いた。一昨日伯爵夫人を追跡したことから、已むを得ず警察局員に手錠をかけてもらったこと。そして、今朝首府に着いて、伯爵邸へ向ったことや、ついに伯爵の自殺に至った顛末などをお話したが、さすがに伯爵が、行きがけの駄賃に自分を殺そうと企んだことだけは、言い憚った。

蒼褪めてはいられながらも、一言一言に頷いていられる殿下の、気高く凛とした若々しい顔を眺めていると、これでは丁抹乙女たちが胸躍らせるのも無理はないな! と、しみじみ感ぜずにはいられなかった。まあ、有難いわ! これで殿下の御潔白も証明できたし、やがて公爵家から貰えるお金で、お父様の借金も全部お返しできるし、さぞお父様も喜んでいらっしゃるだろうと思ったが、そう思う横からそのお父様さえ生きていて下さったらわたしも、こんな荒くれたイヤな商売なんぞ、しなくても……。