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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんの硝子みたいな詰まらないものです」

と少年はにこにこしながら、凝乎と私の顔を観察するように見守っていた。やがてその宝石を私から受け取ってから頭布に挿すのかと思っていたら、黙って手を延ばして私のネクタイへ挿してくれた。少し草臥れ加減の私の二円五十銭のネクタイは、たとえ硝子でも燦然たる光のせいで、たちまち五円ぐらいの値打に競り上ってしまった。

「どう思う、MR・カパディア! これで私のネクタイは、英国製の十五円ぐらいの品物に見えるか?」

と聞いてみたら、

「OH、イエス! イエス! 十五円どころか! 私の国の太子殿下のように見える」とカ氏は面喰らって、周りの人たちと眼を見合せて笑った。少年は面白そうに片頬に靨を泛べながら、何か母国語で言っていた。涼しい声であった。私のことを言っているに違いないと察したが、おそろしく母音の多いその言葉はもちろん私なぞには一言半句もわかりようはずもなかった。私はただ半面を見せて少年らしく笑い声を立てているその華奢な横顔を、女のような美しさ――しかもその女も、優れた彫刻家が一鑿一鑿に丹誠籠めて琢磨した、名彫刻の美しさだと思いながら眺めていたのであった。