Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
英和辞書を引っ張ると「中心ヲ外レタル」とか「偏心的ナル」だとかしち難しい訳が出ているが、平ったく言えばなあに「調子外レ」ということだ。この時ほど私はこの言葉が、一分一厘の隙もなくピッタリと当て嵌まる境涯を感じたことがなかった。別段この少年の頭がエクセントリックだというのではない。むしろケタは幾分外れているにせよ、どこかに天才的な直観の鋭さがあって大した野郎だと驚嘆していたが、世の中は戦争の慌しい空気に包まれて街頭では千人針や献金函が号外売りの鈴の音と相ともに、戦時気分を高調している真最中だというのに、活動を見にはいっても活動も見ずに寂然した休憩室でこんな夢みたいな話と取っ組みながら葦原邦子の額を眺めている状態を、まったく私はエクセントリックだと思わずにはいられなかったのだ。自分ながらこの少年に引っ掻き廻されて、たださえ悧巧でない頭がいよいよもって、可笑しくなってくるのを感じた。しかも私たちがエクセントリック味を満喫している間も、何か面白い場面でも中では映っているのであろう。烈しい喝采が聞えて笑いがどよめいてきた。だが、少年は別段写真を見たいと思うでもないらしく、ただこうやって私と話をしていることに楽しみを見出しているらしい様子であった。