Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「タレ? タレ? タレデシュカ?」と、私の自動車の音で飛び出して来たのであろう。さっきから玄関には二、三人の人影が黒くかたまってウロ覚えの日本語で私の近付いてゆくのに声を掛けていたが、「橘です」と答えると、「Hallo Hallo! Drop in!」といきなりバラバラと先を争って砂利の上へ飛び出して来た。
「いいところへ来て下さった! 今あなたへ電報を打とうと思っていたところです!」とシャアが、真っ先に、私の手を握った。「さあ! どうぞはいって下さい。キャゼリン嬢もさっきから来ていられます」とカ氏も言った。
「太子はお帰りになりましたか?」
「NO!」と一斉にいずれも頭を振った。「お話ししたいことが山ほどあるのです。さあどうぞどうぞ!」と私の手を執らんばかりにして、一同の連れ込んだのはすぐ右手の広い応接室であった。天井からシャンデリアが煌々と輝いているほかにそこには幾つかの大きな美しいスタンドに灯がはいって、贅沢な長椅子や座蒲団や卓子なぞがいかにも王子の応接間らしい豪奢な飾り付けを見せていたが、主のない部屋の中は寒々とした一抹の空虚をどことなく漂わせているように感じられた。