Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
そしてそのルドウィッヒ大尉の考えを裏書きするかのように、潮流はある時は速く、またある時は緩やかに、そろそろもうこの辺が南亜米利加の突端あたりになるのではあるまいかしら? と考えられる地点へ来る頃までには、流されたり停ったりして、おそらく十七、八日くらいもかかっていたのではないかと思われた。が、その頃のある晩、天体観測をして艦の位置を計った結果は、またもや我々の予想を裏切って、潮流は艦を思いも及ばぬ方角へ進ませていることを発見したのであった。
すなわち我々の習った地理学も、現存世界海図のことごとくも詳しいことはわからぬながらも、ともかくこの辺から一応ウニデス潮流は北上して、亜留然丁の海岸沿いにブラジル沿岸を洗ってゆく……とこう教えているのであったが、実際は大変な違いであった。亜留然丁海岸沿いに北上してゆくのは、ほんのその一つの支流に過ぎないものであって、主流は北上しているどころか! かえって逆にますます南下を続けているのであった。そして我々の艦はその南下する方の主流に乗って進んでいるらしいのであった。このままの状態で進んでゆけば、艦はやがて暴風圏へ突入し、濃霧圏へ突入し、最後には流氷圏へ突き進んで、南氷洋の氷に鎖されてしまわなければならぬのは、火を見るよりも瞭らかなことであった。