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Japanische Klassiker mit Furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme

Aozora Bunko

ともかくその晩は、不思議だ不思議だ! と夜を明かしたが、翌朝になると音はいよいよ烈しくなってきた。もはや遠雷くらいのものではないのであった。轟々と物凄まじく耳を打って、お互いの話さえろくろく聞こえぬくらいになってきた。そして海の上一帯、不思議に波だってきた。

今まで横揺れだけで、あまり縦揺れはしていなかったが、この辺になってくると、艦は盛んに縦揺れし始めてきたのであった。しかも縦揺れだけではない。波の上には無数の気泡が泛んでいるのであった。

ともかく、この音たるや、何に譬うべきであったろう? 天地の叫喚というか、地軸の怒号と評すべきか、これに較ぶれば、ピッケルン島沖十二吋の主砲弾の爆発音響なぞは物の数でもなかった。さながら天も地も一時に砕け落ちるかと疑われんばかりの物音であった。霧は濃く、風は吹き荒れていたが、天気はさほど悪くもないと考えていたのに、何らの天候の変化もなしに、波はさっきから刻一刻と高まってきて、今ではもはや狂瀾怒濤と化し去っていた。黒泡を立てて噛み合い咆え合い、轟々として奔騰しそれが耳も聾せんばかりの音と相俟って、喧囂といっていいか、悲絶といっていいのか、ほとんど人間界の形容を絶した光景を現出しているのであった。