Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
「みんな喜べ! 遠心力のお陰で助かったぞ! 遠心力のおかげで!」遠心力! 遠心力! という言葉がたちまちあちらからもこちらからも囁かれ出した。そうなのであった。確かにそうなのであった。我らが絶望して、自暴自棄になって眠っていた幾十時間かの間に、我々の艦は幾度か危機に臨みながらも、そのたんびに弾き飛ばされて、大渦巻の圏外へと強い北西風を受けて、次第次第に危険区域を脱していたというわけなのであった。しかし我々の麻痺れきった頭で、そこまで納得がゆくのには、大分の間があった。あまりにも隔絶した天地の不思議さに、その時の疲労しきった我々の頭では、容易なことではそこまでの会得ができなかったのであった。いつの間にか、我々自身はもう死んでいて、死後の世界というものを、今目のあたり眺めているのではなかろうかしら? とさえ考えていたのであった。
そしてはじめは、茫然として、一同欄干に縋り付いたまま、声一つ出すものもなく、あまりにも打って変った平和な景色に、見惚れ切っていたのであったが、やがて自分らの眺めているこの景色が、決して消えて儚くなるような、そんな幻覚でもなければ、あるいはまた、死後の世界でもないということがハッキリと飲み込めると……そして今言ったように、大渦巻の起す遠心力のお陰で、見事にウニデス潮流の外へ押し出され