Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
が、それとて、やれば喜んで喰べるが、別段自分たちの方から手を出して物欲しそうな顔をするのでもなく、相好を崩したからとて、それもただにこにこ笑っているだけのことで、我々が南海の島々で幾度も経験した土人たちのように、キャッキャと声に出して笑い罵る様子なぞは微塵もなかったのであった。
もちろん、我々も行軍のための携帯食糧を出しているのであったから、ナイフやフォークなぞを使っていたわけではない。したがって二人とも我々同様手掴みで食べているのであったが、その手掴みとても決して土人たちのそれのように鷲掴みで口の中へ抛り込むわけなぞではなかった。人差指と拇指とで上品に摘んで喰べる。また乾酪を一口銜んで吐き出すとしても、そこいらにペッと唾をするではなく、人にわからぬように、そうっと掌に受けて、人知れず棄てるところなぞ、つくづく礼儀の正しさを感じさせるものがあった。しかも、そうかと思えば、今言ったように、煙草を珍しがってみたり、殊に叉銃して兵員が休憩しているその叉銃が、よほど好奇心を惹いたらしく、幾度手真似で追っても、いつかまた近付いてきて、いかにも手に触れてみたいらしい表情を、ありありと泛べているのであった。