Japanische Klassiker mit Furigana
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ウニデスちょうりゅうのかなた
橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.361 Zeichen · 483 Bildschirme
と、今しも隊伍を乱して三々五々物珍しさに駆け出そうとした兵員たちを制して、ルドウィッヒ大尉が急いで駆け寄ってきた。
「ブルメナウ君! 兵員に厳ましく言って墓に入れさせんでくれたまえ! 聞け、みんな!」
と、破鐘のような声を出した。
「我々の本国へ外国の兵隊がはいってきて、我々の子供や妻の墓を物珍しそうに土足で踏んだら、どんな気持がするか! 絶対に墓に足を踏み入れてはならぬぞう!」
さすがに亡き艦長に代って、指揮官の職務を執っているだけのことはある、と思わずにはいられなかった。隊伍を乱した兵員たちに悪気があったのでは少しもない。ただあまりの見事さに、わけもなく駆け寄ろうとしたに過ぎなかったのであったが、我々の闖入してきたのに神経を尖らせているこの国の人たちにとっては、決して嬉しい感情のものではなかったに違いない。今、見知らぬ都市へ入城しようという矢先、たださえこの土地の住民の気持を尊重しなければならぬ場合とて、我々はしみじみ大尉の配慮の周到さに、畏敬と頼もしさを感ぜずにはいられなかったのであった。
しかも日を経るに従って、この感はいよいよ深くならざるを得なかった。