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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 146.773 Zeichen · 294 Bildschirme

Aozora Bunko

すると、朝倉先生は、にっこり笑って次郎を見かえした。次郎は、それですっかり身構えをくずし、気がぬけたように腰をおろした。

「小刀はもう握っていなくてもいい。しまったらどうだ。」

先生にそう言われて、次郎は、自分がまだ小刀を握っていたことに、はじめて気がついたらしく、あわててそれを衣嚢に押しこんだ。

「君は一年だね。名は?」

朝倉先生は次郎の襟章を見ながらたずねた。

「本田次郎です。」

「本田か、ふむ。……だが、室崎と一騎打では、ちょっと骨だったろう。」

次郎は、三つボタンは室崎というんだなと思った。

「しかし立派だった。実は、君が室崎に言っていたことは、私もかげで聞いていたんだ。」

次郎は、あらためて先生の顔をみた。色の浅黒い、やや面長の、髯のない人だった。眼がすきとおるように澄んで、よく光っていた。年は権田原先生より少し若いくらいだった。

「だが、本田、――」

と、先生は言いかけたが、ちょっと思案して、

「まあ、しかし、室崎の方からきこう。どうだ、君の気持は?」

室崎は、ただうなだれていた。先生は、あわれむように彼を見ながら、

「正しい人間の強さというものが、今日こそしみじみわかったろう、いい教訓だ。