Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
」
貝形の爪が、指さきの肉と、しっかり膠着している。その肉と爪の間へ、木綿針をつきさしている。小指からはじめて、薬指、中指、人さし指に針をつきさゝれていた。二本の手は動かせないように、二人の把頭によって、しっかりと脇の下にからみつけられていた。
工場の騒音をつんざいて、う――うッと唸る声がする。兵士達は、自分の生爪をもがれるように身慄いした。
于立嶺は、平生から社員に睨まれていた。頭のさげッぷりが悪かった。監督や、把頭が何か云っても、ふゝんと、うそぶいている。そんな男だった。それで殊に小山から睨まれていた。
高取は、蛋粉工場においても、工人達が兵士の威嚇を受けて、すくみ上っているのを知っていた。そこでも社員のリンチが行われた。兵士達はそれを見た。そして、そういう私刑をやるのなら、工場の守備は御免を蒙る、と云い出した。
その蛋粉工場の中隊は、内地でも有名な中隊だった。日清戦争にも、日露戦争にも全滅した歴史を持っていた。毎年、二、三カ月で、現役から、おっぽりかえされるシュギ者が不思議にも、二人か三人這入って来る。工場の社員が、軍隊を笠に着て、工人を虐待する心理を読むと、その中隊の兵士達は承知しなかった。