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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぶそうせるしがい

武装せる市街

黒島 伝治

Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme

Aozora Bunko

「用があるさ。戦友がどうなったか気づかうのはあたりまえじゃないか!」傍で、中尉と木谷の応酬を見ていた柿本は、決意と憤怒を眉の間に現わしながら、ぬッと、銃を握って立ちあがった。

巻脚絆を巻いたり、煙草を吸ったりしていた兵士たちも緊張した。向うの隅でも銃を取って立ちあがると、ガチッと遊底を鳴らして弾丸をこめる者があった。

「こら、柿本、そんなことをして何をするのだ?」と中尉は云った。

「何をしようと、云う必要はないだろう。」

重藤中尉は正真正銘の、力と力との対立を見た。中尉は、一個小隊を指揮する力を持っているつもりだった。だが、今、彼は、一兵卒の柿本の銃の前に、一個の生物でしかなかった。ちょうど、一昨日、武器を取り上げた高取や、那須や、岡本などが、一個の弱い生物でしかなかったように。そこで、彼はまた、翻然と、狡猾な奥の手を出した。彼は、柿本から、五六歩身を引くと、

「さア、整列! 整列! 皆な銃を持って外へ出ろ!」

と叫びながら、寄宿舎から逃げるように駆け出してしまった。

「畜生! 将校の面さげて糞みたいな奴だ!」

兵士たちは、口々に、憤って罵った。

柿本は、少し、馬鹿で、大まかな高取のことを思った。