Japanische Klassiker mit Furigana
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
Lesen Sie 武装せる市街 (ぶそうせるしがい) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.959 Zeichen · 234 Bildschirme
彼女は、はじめて気がついたのだ。
「あら、猪川さん、まだご存じなかったんですか?」と、纏足の若い細君は答えた。これは、隣同志で、非常に仲よくしていた。細君は、一寸、云いにくげに、舌の根を縺らした。「もう、あいつ、五日も前から毎晩立ってるんですよ。あんたの家、用心なさいね。」
「一体、どうするって云うんでしょう?」
「買々を見張っているのよ。丸子を買いに来る人を見張っているのよ。」と細君は、弱々しげな吐息をついた。「立っていて、丸子を買いに来させまいとしているのよ。」
俊は、自分の家の商売を、馬貫之の細君の前に恥じて、頸まで真紅になってしまった。彼女は、一郎を抱き上げて家の中へ走せこんだ。竹三郎は磨いた煙槍をくわえて、赤毛布の上に横たわり、酒精ランプを眺めながら、恍惚状態に這入ろうとしていた。来訪の諱五路の骨董屋と、母が話相手をしていた。骨董屋は、今朝、戦線へ出動した山東兵が、雨傘を持ったり、石油罐の一方をくり抜いて太い針金を通したバケツをさげていた、と笑っていた。
「あいつ、ぬしとの番人にもならねえんだぞ。」
俊の報知は、母には恐怖をもたらした。骨董屋には、別の違ったものをもたらした。