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Japanische Klassiker mit Furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme

Aozora Bunko

正造のいわゆる自己流の坐禅かと思ったが、それにしても化石したように身じろぎもせずただならぬ様子だった。黒崎は茶をいれ換えようと思ったのもやめて、他の者と同様に畳に膝頭をそろえて神妙にじッと控えていた。しかし余りその時間が長いので、そっと覗きこんでみると、正造は夜陰の一点を見つめたまま、その両眼に涙を堪えているのだった。

黒崎はハッとして身を引いたが、それがなんの涙だか解しかねた。ただの世俗的な悲しみや、悔恨の涙でないことはわかっていた。やはり人を救い世を救うことを念ずる慈悲の涙であろうかと思った。否もっと確かなことは、辛苦艱難に堪える力の根源がその滴にあると思われることであった。ややあって、正造の唇から言葉が洩れた。

「人は時鳥があたかも鳥自身に嫉妬や怨恨があって啼くもののようにいうが、それはつまり迷える人間が迷える心で他を推しはかったにすぎない。賤しい心で深遠な自然を推しはかるのだから、誤まるのも道理だ」

演説会はひきつづき各所で開かれた。八日には梁田村で開かれたが、閉会後その聴衆のうち二百名ばかりが弁士たちを送るのだといってついてきた。馬車一輌、騎馬六十、その他は徒歩で群馬県境へ差しかかると、三四十名の警官がそこに待ち構えていて行手を遮った。