Japanische Klassiker mit Furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lesen Sie 渡良瀬川 (わたらせがわ) von 大鹿 卓 (おおしかたく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 280.528 Zeichen · 557 Bildschirme
山田がその顔を見つめていると、やがて、
「だが、わしはこの頃貧村に出没しながら発明したことがある」と目を鋭く光らせた。「それは政治運動なんぞ気楽なものだということだ。鉱毒問題に較べると政治は皮相なことばかりだ。今日の政治の気楽なのを知って、わしは驚くとともにそら怖しくなった。心の裡が寒々としてきた」
山田にも鉱毒問題に対する鬱憤の気持はよく察しられた。だが、政党内閣の出現に、正造がどれほどの期待をかけていたかを思うと、その不信の言葉がやや解せなかった。
「でも、今度は全くわが党の内閣ですから……」
「いや」と、正造は首を振ってさえぎった。「外に強敵はないが、この内閣はかならず内部から崩れる。組閣の当初から、もう椅子のことでごたごただ。引きつづいて有象無象の猟官運動だ。国の上に椅子があるので、椅子の上に国があるのでない。誰も彼もそのことに気がつかない。そのうえ絶対多数を得て、閣僚も議員もますます気持が傲るから、これは遠からず倒れるに相違ない。だから鉱毒関係の事件は、この際できるだけ片付けるように心がけておかねばならぬ。君たちもその方針で、もう一奮発、活動してもらいたい」