Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
その時佐々は、びっくりして、目をみはった。
「あっ、首が……」
佐々は、自分の目をうたがった。相手の警官の肩の上から、首が、急に見えなくなってしまったのである。
警官の首は、どこへいった?
そんなばかな話があってたまるものではない――と、誰でも思うであろう。ところが、そのばかばかしいことが、ほんとうに起ったのである。佐々は、面くらった。そうして、背筋から冷水をざぶりとあびせかけられたような気がしたのであった。
「おれは、わけがわからなくなったぞ。おれは、相手の首を、たたき落してしまったんだ!」
首を落された警官は、たおれもせず、そのまま、ちゃんと立っていた。白い繃帯が、ばらりととけて、ひらひらと肩にまつわる。首のないくせに、彼はなおもはげしく、佐々の方にむかって来る。彼の鉄拳が、ぶんぶん佐々の目をねらって飛んで来た。
「あれっ。おれはおかしくなったんじゃないかしらん。首のない人間と、たたかっているのだ!」
佐々は、こんな気持の悪い思いをしたことは、生まれてはじめてだった。てっきり自分はおかしくなったのだと思った。おかしくなったから、首のない人間が、生きているように見えるのだ。