Japanische Klassiker mit Furigana
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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme
わりあいに落着いて、パイプを口にくわえて、この有様を見ていた老いたイギリス人が、がてんがいかないという風に首をふりながら、
「あいつら、何をさわいでいるのか、わしには、とんとわからん。地球がこなごなにこわれてしまうものなら、いくら札束を持っていても何にもならんじゃないか」
すると、そばを通りかかったアメリカ人らしい若者が、
「おじいさんには、わからないのかね。僕は、銀行にあずけてある金を全部引出して、さっそく大きい風船をつくるのだ。ガスタンクほどもある大きいやつをね」
「ほほう、そうかね。そうして、その風船をどうするのかね」
「つまり、彗星が地球に衝突すると、地球が、こなごなになるでしょうがな。とたんに僕は、その大きな風船にぶらさがるのさ。すると、足の下に踏まえていた地球がなくなっても、僕は安全に宇宙に浮かんでいられるというわけさ」
若者は、とくいになって言った。
「そうかね。それもいいが、わしは、彗星が地球にぶつかる時、お前さんの風船だけを残していかないだろうと思うんじゃが……」
と老人が言うと、若者は、な、なあるほどと言って、とたんに腰をぬかしてしまった。