Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Lesen Sie 火星兵団 (かせいへいだん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 307.889 Zeichen · 618 Bildschirme

Aozora Bunko

「なあんだ、二人ともめそめそして……」

博士は叱りつけるように言った。

博士に叱られて、新田先生と千二とは、涙をふいた。

「なあんだ、お前たちのその顔は……」

「博士、あなたは、地球に家族もなければ、なんの心のこりもないのでしょう。だから、地球の最期が来ても、涙一滴出さずにいられるのです。私や千二君などは……」

「おい新田、待て。そういうとわしは、なんだか鬼みたいな人間に聞えるではないか。わしにも家族はある」

「え、博士に家族がおありですか。それは失礼ですが、ほんとうですか」

「全く失礼なことをいう奴じゃ。家族のない人間は、未完成というか、感心出来ないよ。わしには家族があって、ちゃんと地球の上に住んでいる」

「そうでしたか。しかし博士は、その家族の方のために、一滴の涙もこぼされないのは、どういうわけですか」

先生は、不思議そうにたずねた。

「ここで、いくらたくさんの涙をこぼしてみても、どうにもならないではないか。ええ、そうだろう」

「しかし……」

「まあ、お聞き。わしに言わせれば、人間が悲しんだり、それからまた体を楽にしたりすることは、死んでからあとのことにすればいいのだ」