Japanische Klassiker mit Furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Lesen Sie 照葉狂言 (てりはきょうげん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.730 Zeichen · 100 Bildschirme
五
頭巾深々と被れるが、駒下駄のさきもて、地の上叩いて、せわしく低き音刻みながら、手をあげて打ち招く。来よ、もの言わむとする状なり。心に懸りて行かむとする時、静に雨戸の戸一枚ソトその半ばを引きたまいつ。
楓の上に明さして、小灯の影ここまでは届かず月の光に消えたり。と見る時、立姿あらわしたまいしが、寝みだれていたまいき。
横顔のいと白きに、髪のかかりたるが、冷き風に揺ぐ、欄干に胸少しのりかけたまいぬ。
「お帰ですか。」
「唯今。」
「遅かったから姉さんは先へ寝ていたがね。」
言いかけて四辺を見まわしたまいし。小親の姿ちらりと動きて、ものの蔭にぞなりたる。ふッと灯を吹消したまい、
「お待ちなさいよ。」
五
小親わが方に歩み寄りしが、また戻りぬ。内より枢外す音して、門の戸の開いたるは、跫音もせざりしが、姉上の早や二階を下りて来たまいたるなり。
「……寒いこと。」
羽織の両袖打合せて、静に敷居を越えたまいぬ。
「晩かったのね。」
「あのね、面白かったんだよ。」と言いたるが、小さき胸のうち安からず。目には小親の姿見ゆ。
「それは、好うございましたけれど、風邪をひくと不可ません。