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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lesen Sie 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.213 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

ぽんと、土蓋をして、粘土の目塗りをした上に、僅かな火口だけを開けておいた。

郷左衛門は、玉枝や主水と並んで、一同のうしろでその様子を眺めていたが、まず、これでよかったというように頷いて――

「作兵衛、すぐに火を入れい」

と命じた。

「まだちッとべい、早うがすよ」

「火入れにも時刻があるのか」

「へい。未の刻に火入れをして、暁方の六刻に、竈開けをすることに、何十年もの間極っているんでがす。小屋のめえに砂時計があるだから、それを見ていておくんなさい」

「未の刻か。では、もう半刻ほどだな」

「その間に、茶でも入れますべえ」

作兵衛は小屋の中から藁筵を出して、見晴らしの佳い場所に、それを敷いた。

「これや絶景だ、酒が欲しいな」

と、主水は口を辷らしたが、父の顔いろを惧れるように、

「いや渋茶でもいい。おい、一同、ここへ参って休息せい。ご苦労だったな」

玉枝はうしろを向いて、乱れた髪を梳いたり、腰紐を締め直したりしていたが、やがて、容を改めて、

「それではご家老様、これで安心いたしましたから、こんどはほんとに出立いたします」

と、挨拶をし直した。

郷左衛門はふり向いて、

「まあもう少し休んで参ってはどうだ。