Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 230.599 Zeichen · 458 Bildschirme
四月十四日
今日の気持では何だか明日午後でもふらりと行きそうな調子です。ね、面白い心持です、懐の中から詩集が一寸その美しい角をのぞかせているのよ、でも、今は又仕事だからね、ひっこんでおいで、と猫の仔を抱いているように云ってきかせて、頭一寸たたいてしまっておくのよ。
四月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
四月十四日 第十九信?
まあ、まあ、どうでしょう。十日も御無沙汰! それだのに私はきょうおやと何だかびっくりしたのよ、三日の手紙よんだよ、とおっしゃったから。あら、それから私は一つも書かなかったのかしら。と。書いていやしないことねえ。手帖出してみると、三日からあとはかいたしるしないわ。何とひどい御無沙汰でしょう。しかも御無沙汰どころか、毎日云わばめっぱりこで、一寸仕事の手がとまると、すぐいろいろ考えて、いくらかクタクタ気味だのに。そういう風になるのね。正気にかえりっぱなしではないのね。余震が相当なものね、こうしてみると。大変頭疲れた気がします、もう丁度一ヵ月経ちます。
さて、面白いようなおかしいような心持についての物語を一つおきかせいたしましょう。