Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
二十三
自分の書いてやった返事と、その返事の友の心にひき起こしたこととを細かに引きくらべて考えてみた。さらに自己のまことの心とその手紙の上にあらわれた状態とのいかに離れているかを思った。美穂子のことからひいて雪子しげ子のことを頭に浮かべた。表面にあらわれたことだけで世の中は簡単に解釈されていく。打ち明けて心の底を語らなければ、――いや心の底をくわしく語っても、他人はその真相を容易に解さない。親しい友だちでもそうである。かれは痛切に孤独を感じた。誰も知ってくれるもののない心の寂しさをひしと覚えた。凩が裏の林をドッと鳴らした。
二十三
天長節には学校で式があった。学務委員やら村長やら土地の有志者やら生徒の父兄やらがぞろぞろ来た。勅語の箱を卓の上に飾って、菊の花の白いのと黄いろいのとを瓶にさしてそのそばに置いた。女生徒の中にはメリンスの新しい晴れ衣を着て、海老茶色の袴をはいたのもちらほら見えた。紋付きを着た男の生徒もあった。オルガンの音につれて、「君が代」と「今日のよき日」をうたう声が講堂の破れた硝子をもれて聞こえた。それがすむと、先生たちが出口に立って紙に包んだ菓子を生徒に一人一人わけてやる。