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Japanische Klassiker mit Furigana

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いなかきょうし

田舎教師 他一編

田山 花袋

Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme

Aozora Bunko

さびしい寺とは思えぬほどその一間は明るかった。茶請は塩煎餅か法事でもらったアンビ餅で、文壇のことやそのころの作者気質や雑誌記者の話などがいつもきまって出たが、ある夜、ふと話が旅行のことに移って行った。和尚さんはかつて行っていた伊勢の話を得意になって話し出した。主僧は早稲田を出てから半歳ばかりして、伊勢の一身田の専修寺の中学校に英語国語の教師として雇われて二年ほどいた。伊勢の大廟から二見の浦、宇治橋の下で橋の上から参詣人の投げる銭を網で受ける話や、あいの山で昔女がへらで銭を受けとめた話などをして聞かせた。朝熊山の眺望、ことに全渓みな梅で白いという月ヶ瀬の話などが清三のあくがれやすい心をひいた。それから京都奈良の話もその心をひき寄せるに十分であった。和尚さんの行った時は、ちょうど四月の休暇のころで、祇園嵐山の桜は盛りであった。

「行違ふ舞子の顔やおぼろ月」という紅葉山人の句を引いて、新京極から三条の橋の上の夜のにぎわいをおもしろく語った。その時は和尚さんもうかれ心になって雪駄を買って、チャラチャラ音をさせて、明るいにぎやかな春の町を歩いたという。奈良では大仏、若草山、世界にめずらしいブロンズの仏像、二千年昔の寺院などいうのをくまなく見た。