Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
二十八
湯気の籠った狭い銭湯の中で、村の人々はこうした噂をした。喜平というのは、村はずれの小屋に住んでいる、五十ばかりの爺で、雑魚や鰌を捕えては、それを売って、その日その日の口をぬらしていた。毎日のように汚ないふうをして、古いつくろった網をかついで、川やら掘切やらに出かけて行った。途中で学校の先生や村役場の人などにでっくわすと、いつもていねいに辞儀をした。それが今日掘切の中でこごえて死んでいたという。清三は湯につかりながら、村の人々のさまざまに噂し合うのを聞いていた。こうして生まれて生きて死んで行く人をこうして噂し合っている村の人々のことを考えずにはいられなかった。古網を張ったまま、泥の中にこごえた体を立てて死んでいた爺のさまをも想像した。茫とした湯気の中に水槽に落ちる水の音が聞こえた。
二十八
授業もすみ、同僚もおおかた帰って、校長と二人で宿直室で話していると、そこに、雑魚売りがやって来た。
「旦那、鮒をやすく買わんけい」
障子をあけると、にこにこした爺が、をそこに置いて立っていた。
「鮒はいらんなア」
「やすく負けておくで、買ってくんなせい」
校長さんは清三を顧みて、「君はいりませんか、やすけりゃ少し買って甘露煮にしておくといいがね」