Japanische Klassiker mit Furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Lesen Sie 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.097 Zeichen · 312 Bildschirme
と訓導の杉田が笑いながら言った。しかし清三は行ってみようとも思わなかった。ただそのおもしろそうな音が夜ふけまで聞こえるのを耳にしたばかりであった。
そのほかにも、発戸のことについて、清三の聞いたことはいくらもあった。一二年前まではここに男ぶりのいい教員などが宿直をしていると、発戸の女は群れをなして、ずかずかと庭からはいって来て、ずうずうしく話をしていくことなどもあったという。それから生徒を見ても、発戸の風儀の悪いのはわかった。同じ行儀の悪いのでもそこから来る生徒は他とは違っていた。野卑な歌を口ぐせに教場で歌って水を満たした茶碗を持って立たせられる子などもあった。
春になって、野に菫が咲くころになると、清三は散歩を始めた。古ぼけた茶色の帽子をかぶった背のすらりとしたやせぎすな姿はそこにもここにも見えた。百姓は学校の若い先生が野川の橋の上に立って、ぼんやりと夕焼けの雲を見ているのを見たこともあるし、朝早く役場の向こうの道を歩いているのに出会うこともあった。役場の小使と立ち話をしていることもあれば、畠にいる人々と挨拶していることもある。時には、学校の女生徒を、二三人つれて、林の中で花を摘ませて花束を作らせたりなんかしていることなどもある。